(この記事はツイッターで書いた感想のまとめです) ジャンル横断的な作品なのでひと言では形容しがたいですね。混沌とした作品の中、あえて軸を探すとすれば「父の娘に対する愛情」と「信じる/信じないの境界線」の二つはブレなく最初から最後まで一貫して…
バブルで日本の経済は絶好調、カネにモノ言わせて日系企業は海外の資産を買いあさっていました。自分はまだその頃生まれていなかったけど、ジュリアナ東京で肩パッドのお姉さんが踊り狂っている映像を見るだけでも、みんな調子乗ってたんだな、ということは…
サントラを聴いていたら、なんとなくこの映画に対する不満みたいなものが再びぶり返してきたので、今さらだけど少し書き残しておきます。 「ゴッド•ヘルプ•ザ•ガール」は心を病んだ女の子がバンドを結成し、メンバーとの心の交流を通して立ち直っていく物語…
監督ベン•アフレック、主演ケイシー•アフレック。アフレック兄弟によるサスペンス映画です。非常に素晴らしい作品だったので、少しだけ感想を残しておきます。 サスペンスと言いつつ、この映画の面白さは人間の描きこみにあります。作品を見た人が読んでいる…
こんかいは「フレンチアルプスで起きたこと」について。スキー旅行にやって来た家族が分裂の危機に陥り、なんとか落とし所を見つけていくまでを描くコメディ?映画です。 レストランで昼食中に雪崩にあった父、母、姉、弟の4人家族は、父親のとったあまりに…
「真田丸」と並んで2016年最大のヒットドラマとなった「逃げるは恥だが役に立つ」。ミーハーな僕も話題になり始めた3話あたりから視聴を始めて徐々にハマっていきました。先週最終話を迎えて、すっかり"ロス"状態です。 振り返ってみると大ヒットの要因…
ひさびさにブログを再開しようという気になりました。イブだからといって特に予定も入れていないので何気なく見た映画がとても面白かったのでご紹介。2010年のスペイン映画「朝食、昼食、そして夕食」です。 舞台はスペインのサンティアゴ•デ•コンポステ…
舞台は第二次世界大戦も末期の1944年。戦況が悪化するナチス•ドイツは占領中の首都、パリの街中に爆弾を設置し、全てを破壊する計画を立てる。エッフェル塔、凱旋門、ルーブル美術館、オペラ座。歴史的価値のある、フランス人が誇りにしてきた美しい街並…
グスタフ•クリムトの名画「黄金のアデーレ」をめぐる歴史の悲哀を描いた作品。この絵画のモデルとなった女性を叔母にもち、戦時中にアメリカは亡命したオーストリア人女性が「黄金のアデーレ」はナチスによって略奪されたものであり、本来の所有権は自分にあ…
こんかいは軽く僕が好きな恋愛映画を紹介しようと思います。恋愛映画とひとくちに言っても様々あると思うのですが「恋人たちの予感」は〈男女の友情は成立するのか?〉という永遠の課題を扱った作品で、個人的にはとても興味深いアプローチです。ハリーは「…
番外編として「シン•ゴジラ」に登場する小ネタをいくつかご紹介します。当然ながらネタバレを含む内容になるので、ぜひ映画を見てから答え合せとして楽しんでいただきたいと思います。基本的にはツイッター上で指摘されているものをまとめたものです。もし間…
「シン•ゴジラ」レビュー前編(http://starspangledman.hatenablog.com/entry/2016/08/03/091132)では、冒頭からゴジラの上陸、東京襲撃までのあらすじを追いながら、気になったポイントについて感想を書いてきた。レビュー後編では、物語の折り返し地点と…
「シン•ゴジラ」のどこから語り始めればいいのか、全く見当もつかない。たくさんの余白を残した、多角的な映画だからである。タイトルに意味深につけられた「シン」も「神」「真」「新」「清」と考えれば考える分だけ漢字が湧いてくる。しかしながら一つだけ…
Netflix配信の連続ドラマ「火花」を全話鑑賞した。初めは各話ごとに感想をまとめていたけど、最近になって停滞していた分を一気見したので、まとめて10話分の感想を書くことにする。 上に載せたポスターにも書いてある通り、「火花」に登場する徳永と神谷…
WTCを命綱なしで渡ったフランス人大道芸人フィリップの歩みを映像化した作品。多くの映画賞で無冠に終わってしまったのが残念なぐらい見ごたえがある。 タイトルにもある通り、この映画には"ふたり"の主人公がいる。ひとりはもちろんフィリップ。そしてもう…
東京アニメーションアワードフェスティバルでみました。なんと準備不足により字幕が準備できなかったということを窓口で知らされ、抜きうちリスニングテストを受けることに。払い戻しを受けた上で、タダで観れるから気にせず鑑賞することにしたのですが、責…
ハリウッド映画界きっての人気者、アーノルド•シュワルツェネッガー。オーストリアからボディビルダーとして渡米してきた経歴もつ彼の絵画の世界から飛び出してきたかのような迫力ある肉体とそれによって生み出される無敵の風貌は、強いヒーローを愛するアメ…
あらかじめ言っておくと、お金と時間の限られた現状で本作をみてしまったことを少し後悔している。基本的に映画館で観る作品は楽しむよう努力しているけど、「WE ARE YOUR FRIENDS」はその余地もなくただ退屈であった。どうしてなのか、まずはストーリーから…
「リング」の貞子と「呪怨」の伽倻子と俊雄は日本映画界でもトップクラスのスターだ。特に貞子はゼロ年代サブカルチャーのアイコンと言っても過言ではない。そんな彼らがまさかの共演を果たしたのが本作「貞子vs伽倻子」である。ことしはDCとマーベルがそれ…
「アイアンマン」「インクレディブル•ハルク」の成功を受け、本格的に始動したMCU。「アイアンマン2」ではSHEILD創設者ハワードスタークやSHEILDエージェントのブラックウィドウが登場し、一気に世界が広がる。「アベンジャーズ」に向けた布石を着々と打ち、…
ベン•ハーはとにかくスケールの大きな映画である。まず、上映時間が長い。4時間近くあり、途中にインターミッションが挟まれる。冒頭には序曲が流れて「これから長い旅に出るんだ」と自然に気が引き締まる。この物語の主人公ベン•ハーの人生は、おそらく世…
「10 クローバーフィールド•レーン」とはとても不思議なタイトルである。どうやら「クローバーフィールド」とは関係がありそうではあるけど…続編なのか、それともNYのあの惨劇と同時進行で起きた出来事なのかはわからない。あの巨大モンスターは出てくるのか…
非常に評価も高く、期待していた「サウスポー」。自分は「ロッキー」シリーズが大好きだ。そしてボクシング映画にハズレなしだと思っている。その考えに間違いはなかったのだが、アレレ、ちょっと想像してたハードルを下回ってしまったぞ、というのが率直な…
第3話はスパークスがオーディションに挑戦して失敗を繰り返す様が描かれる。テレビに出たいという気持ちは常にあって、チャンスも与えられているのに、全然思っているような結果を出せないもどかしさ。本当は自分の実力不足のせいなのだけど、イライラが溜…
ダンカンジョーンズ監督のSF作品。資源開発の技術が発達し、すべてのエネルギーを月の鉱石で賄うようになった近未来、管理者としてひとり月に取り残された男が採掘車の事故を機に衝撃の事実を知る。人間の存在意義にまで掘り下げた哲学的SFだ。 まず、この作…
まず、これが1939年の映画ということに驚きである。当時としても珍しいフルカラーでの製作。原色を散りばめたカラフルな映像は刺激的で見ていて疲労するが、現実離れしたオズやエメラルドシティの世界観にピッタリだ。カラー撮影なので"黄色いレンガの…
タイトルに不遇と付けてしまったけど、言うほど扱いが悪いわけでもない。ただ、ファンからも公式からも忘れ去られた地味な作品であることは間違いない。MCUが大好きでブルーレイで何度も見返す自分も、「インクレディブル•ハルク」だけは一度しか見ていない…
これから定期的にMCUシリーズの作品のレビューを順を追って書きたい。1本目はもちろんシリーズ1作目にして今なおトップレベルの人気を誇り続ける「アイアンマン」である。 「アイアンマン」公開当時、今や現代の神話と表現しても差し支えないMCUという壮大…
度肝を抜かれた映画だった。家の小さなテレビ画面では得られない体験。絶対に映画館という空間でないと楽しめない作品だ。4:3という画面比を最大限に生かした内容になっている。 「サウルの息子」の題材となっているのはゾンダーコマンドと呼ばれるユダヤ人…
第2話では、オーディションを受け、テレビ出演のチャンスを掴もうとする徳永が、東京に進出(本当は相方が事件を起こしたせいで大阪を追放されていた)してきた神谷と親睦を深めていく。徳永は一生懸命努力して、ネタを作り、相方と練習を積んでいるけど、…