横山秀夫原作のサスペンス映画の前編。1週間しか存在しない昭和64年に起きた誘拐事件"ロクヨン"の真相が時効直前になって徐々に明かされていく…主人公は刑事時代にロクヨン事件の捜査をし、いまは広報部長の三上。彼を取り巻くパーソナルな問題も同時進行…
全米公開から4ヶ月。待ちに待ったデッドプールがついに日本上陸。ヒーロー映画としては珍しいR指定にもかかわらず記録的大ヒットを各国で樹立。期待値を上げに上げまくって劇場へ向かったが、とても満足のできる内容だった。まずいちばんの魅力はデッドプー…
お笑い芸人の又吉直樹が執筆し、芥川賞を受賞したことで話題になった作品が待望の映像化。期待以上にハイクオリティな出来に驚いた。売れない芸人徳永が、真夏の花火大会のライブで偶然出会った先輩芸人の神谷に深い感銘を受け、弟子入りを申し出るところか…
コーエン兄弟最新作。彼らの作品はどれも面白く、レベルが高いのは承知しているけど、個人的に大当たりという作品もないので評価しづらいクリエイターだ。こんかいも残念ながらそのパターンで、楽しみつつもそんなに好きにはなれないという結論に至った。よ…
公開前の試写会段階から評判の良かった「ヒメアノ〜ル」がついに登場。前半はラブコメ、後半はサイコサスペンスという異色の組み合わせながら絶妙なバランスで楽しめるエンタメに仕上げた期待通りの秀作だった。いつも通りネタバレを含むので未見の人は注意…
ギャングスタラップの分野を開拓した伝説のヒップホップグループN.W.A.の栄光と挫折を描く伝記映画。N.W.A.という名前にピンとこなくても「アイスキューブが所属していた」といえば映画好きの人はわかる。アイスキューブは現在ハリウッド映画界の中でもヒッ…
「世界から猫が消えたなら」の主人公には名前がない。"ぼく"目線による人生の振り返りがこの作品の骨子になっている。もし1日だけ寿命が伸ばせる代わりに、じぶんの人生の大切なものが世界から消えてしまったら、その引き伸ばされた生に価値はあるのだろうか…
イニャリトゥ監督最新作。北米開拓初期に生きたひとりの男の半生を基に構築された究極のサバイバル日記である。 まず特筆すべきはその映像美。どうやって撮ってるんだ?の連続。自然光を生かして映し出すアメリカの大自然は圧巻の一言。枯れ木と荒涼とした…
男と女。どれだけ人間が高度な文明を築こうと変わらない差異であり、永遠の課題だ。いつの時代も人々は男女の問題に悩んできたし、ある意味、人類の歴史は男女の歴史と共に進行してきたとも言える。そしてある時、人々はひとつの発見をした。解剖学的な性差…
時々料理の世界でも"職人"というワードを使う。お菓子職人はたまに使うけど、ラーメン職人とかサンドイッチ職人なんて言い方は普通しない。しかし、もしかしたら僕の中だけかもしれないけど、寿司"職人"という言葉には他にはない特別な響きを感じる。お菓子…
試写会の評判が非常に悪く、特に極端な言説で有名な前田有一が酷評したことである種の炎上にまで発展した「テラフォーマーズ」。GW映画の強力ラインナップに埋もれてしまい、批評的にも興行的にも不満足な結果に終わってしまった。しかし言われるほど酷い映…
フリーター、ニート、サラリーマン、女子高生。パッとしない普通の人々がヒーローとして活動したら?「キックアス」のカルト的人気とその大成功を受けて多くのフォロワー的作品が製作された。「ヒーローマニア -生活-」もその中のひとつと言えるだろう。原…
「Silver Linings Playbook」という原題は少々理解するのが難しい。「Silver Lining」は直訳すると銀の裏地。どんな雲も後ろには太陽があるから縁は光り輝く。転じて、「逆境の中の希望の光」という意味になる。「Playbook」は山口百恵の歌ではなく、アメリ…
これまでアメコミについて考えをまとめる機会があまりなかった。自分も何冊か読んでいるのだが「バットマンvsスーパーマン」に影響されて初めて買ったDCコミックスのクロースオーバー大作「フラッシュポイント」はこれまででいちばん面白かったので、ぜひ感…
下の句は上の句と完全に地続きの物語になっている。さいきんの邦画はやたらと前後編構成にして興行収入を稼ぐセコいスタイルが主流だ。そして時々失敗している。たとえば「進撃の巨人」は2部作構成にした結果、ただでさえ薄い内容が無に等しくなった。おか…
ちはやふるの上の句と下の句を鑑賞。どちらも素晴らしい青春映画だった。2作は密接に繋がっているのでまとめて語りたいところではあるが、思いつくままに感想を書きたいので、あえてバラバラに記事を作る。したがって本稿では上の句について。次稿では下の…
こんかいはジョナサン•サフラン•フォアの同名小説の映画化作品。自分はこの原作小説がとても好きだ。奇妙なタイトルに惹かれて手を取り、みごとにハマった。エモーショナルなストーリー、内容と深くリンクした写真や絵を挿入することでビジュアルに訴えかけ…
ブログのタイトルに「えいがのはなし」と付けておいて映画以外の話をするのは自分でもどうかと思うけど、特に人に見せるつもりで書いてないので(もちろん見てもらえたら嬉しい)気にせず舞城王太郎作の純愛小説について感想をまとめたい。 思い返せばゼロ…
公開前から評判になっていた本作。広告ではあまりビジュアルを出していないものの、原作の内容をみればわかると通り、ゾンビ映画である。そのようなジャンルに対して苦手意識があって見てこなかったのだけど、邦画でゾンビ映画という珍しさに惹かれて劇場へ…
前回の記事では現代社会における差別と偏見を扱った本作のテーマについて意見をまとめた。今回は映画を見ながら純粋に「ここ良い!」と思った点についてひたすらリストアップしたい。 はじめはメインキャラクターのジュディとニックのはなし。ジュディはこ…
いまジワジワと口コミで人気が高まりつつあるディズニー最新作。自分も字幕版と吹き替え版をそれぞれ1回ずつ鑑賞。その感想をネタバレ込みで文章にまとめたい。 まずはズートピアというタイトルからこの映画の大切な部分について考えてみる。当然ZooとUtop…